「ドラグってどれくらいにしてますか?」と聞かれたら、ちゃんと数字で答えられるでしょうか。
正直に言うと、ぼくはロックショアを始めて1年くらい、ドラグを手でラインを引っ張って「まあこんなもんかな」で決めていました。その結果どうなったかというと、ワラサを掛けた瞬間にズルズル出されて根に入られ、プツン。逆に別の日は締めすぎて、フックが伸びて終わり。どちらも、家で5分測っておけば防げた失敗でした。
この記事では、ロックショアのドラグを家で数値で決める方法を、道具・手順・磯での調整の順に紹介します。難しいことは何もありません。一度やってしまえば、次からは迷わなくなります。
ドラグは「ラインの強さの1/3前後」を基準に、家でロッドを曲げた状態で測る。磯では潮や根の状況で少しだけ調整する。測った数値はリールに貼っておく。
なぜ手で引いて決めるのは危ないのか

手でラインを引いてドラグを決めると、どうしても弱めになりがちです。人の手の感覚は意外とあてにならず、「けっこう重いな」と思っても実際は2kgくらいしか出ていない、なんてことがよくあります。
しかも、ラインを真っすぐ引くのと、ロッドを曲げた状態で引かれるのとでは、ドラグが出始める力がかなり違います。ロッドのガイドを通ることで摩擦が増えるからです。だから、ロッドにリールを付けて、実際に曲げた状態で測るのが正解です。
ロックショアは足元に根があり、魚に走られたら終わりという場面がとても多い釣りです。ドラグが弱いと根に入られ、強すぎるとラインブレイクやフックの伸び、身切れが起きる。そのちょうどいい範囲を、数字で知っておくことが大切です。
用意するもの
家でドラグを測るのに必要なのは、次の3つだけです。
- 普段使っているロッドとリール(ラインシステムまで組んだ状態)
- ドラグチェッカー、またはデジタルスケール(吊り下げ式のはかり)
- ラインを結べる柱やドアノブ(または手伝ってくれる人)
ドラグチェッカーは釣具店で数千円から買えます。旅行用の荷物を量るデジタルスケールでも代用できますが、釣り用のほうがラインを掛けやすく、最大値を記録してくれるものが多いので便利です。
釣り用ドラグチェッカーの定番
BOUZ ドラグチェッカー 15kg(DC-2015)
| 測定範囲 | 〜15kg |
|---|---|
| 向いている人 | PE3〜6号のロックショアタックル |
ロックショアで使うドラグ値をしっかりカバーできる15kgタイプです。針を引っ掛けるように使えるので、一人でも測りやすい。1台持っておくと、タックルを組み直すたびにサッと確認できます。
※価格・在庫は変動します。購入前に販売ページで仕様をご確認ください。
魚の重さも量れるデジタルタイプ
シーボンズ フィッシングメジャー デジタルスケール 50kg
| 測定範囲 | 〜50kg |
|---|---|
| 特長 | 防水・最大値表示・ライト付き |
ドラグチェックにも、釣った魚の重さを量るのにも使えるデジタルスケールです。最大値が残るので、引っ張りながら数字を読む必要がありません。磯に持って行っても使える防水タイプです。
※価格・在庫は変動します。購入前に販売ページで仕様をご確認ください。
家でドラグを測る手順

ぼくがいつもやっている手順はこうです。ベランダや玄関、ガレージなど、少しスペースがあればできます。
- ロッドにリールを付けて、ガイドにラインを全部通す
- リーダーの先をドラグチェッカーのフックに掛ける(または柱に結んで、間にスケールを挟む)
- ラインを5〜6m出して、ロッドを45度くらいに立てて構える
- ゆっくりロッドを起こしていき、ドラグが「ジーッ」と出始めた瞬間の数値を読む
- 目標値より低ければドラグノブを締め、高ければゆるめて、もう一度測る
- 3回測って同じくらいの数値になればOK
コツは、ゆっくり一定の力で引くことです。勢いよく引くと、一瞬だけ数値が跳ね上がって正しく測れません。ドラグが「ジッ、ジッ」と途切れずに滑らかに出るかも一緒に見ておくと、ドラグの調子もチェックできます。
PE号数別のドラグ値の目安
では、何kgにすればいいのか。基本の考え方はラインの強さの1/3前後です。ロックショアでよく使う号数だと、ぼくはだいたいこのくらいに設定しています。
| PE号数 | ラインの強さの目安 | ドラグ値の目安 | 主なターゲット |
|---|---|---|---|
| 3号 | 約20〜25kg | 5〜7kg | ワラサ・サワラ・ヒラスズキ |
| 4号 | 約25〜30kg | 7〜9kg | ブリ・ヒラマサ |
| 5号 | 約30〜35kg | 8〜11kg | 大型ヒラマサ |
| 6号 | 約35〜40kg | 10〜13kg | 大型ヒラマサ・GT |
※ラインの強さはメーカーや製品で違います。使っているラインのパッケージに書かれた強力(lbやkg)を確認して、その1/3を目安にしてください。
「思ったより強い」と感じた人も多いと思います。ぼくも最初はそうでした。でも、実際に5kgのドラグで魚とやり取りすると、意外と普通にラインが出ていきます。ロッドの曲がりやラインの角度で、魚にかかる力は分散されるからです。バラシとの関係は青物のバラシを減らす完全ガイドでもくわしく書いています。
磯での微調整は「少しだけ」

家で決めた数値は、あくまで基準です。磯では、状況に合わせて少しだけ調整します。
- 足元に根が多い・沈み根が近い:少し締める(半回転くらい)。走られたら終わりなので
- 広く開けた場所・根が遠い:基準のまま、または少しゆるめる
- トレブルフックの小型プラグ:フックが伸びやすいので基準より少しゆるめる
- ファイト中にどうしても止めたい:ドラグを締めるより、スプールを手で押さえる
ファイト中にドラグノブをグルグル回すのはおすすめしません。どれだけ締めたか分からなくなって、次の魚で締めすぎていたりします。ぼくはファイト中の調整は手でスプールを押さえるだけにして、ノブはなるべく触らないようにしています。
もうひとつ大事なのが、釣りが終わったらドラグをゆるめておくこと。締めたまま保管すると、ドラグワッシャーがへたって、次に使うときに数値が変わってしまいます。そのぶん、毎回釣行前に測り直すクセをつけておくと安心です。
測った数値はリールに貼っておく

これは地味ですが、本当におすすめの習慣です。測ったドラグ値を、マスキングテープに書いてリールの脚やロッドのグリップに貼っておきます。
ドラグノブの「何回転戻したら何kg」というのも一緒にメモしておくと、帰りにゆるめても、次の釣行で同じ値にすぐ戻せます。タックルが何セットかある人は、これだけでずいぶん頭がスッキリします。
まとめ|ドラグは家で数字で決める
ドラグ調整は、ロックショアで魚を獲るかバラすかを分ける、地味だけど大事なポイントです。
- ロッドを曲げた状態で、ドラグチェッカーで測る:手の感覚は意外とあてにならない
- ラインの強さの1/3前後を基準にする:PE4号なら7〜9kgくらい
- 磯では少しだけ調整、終わったらゆるめる:測った数値はリールに貼っておく
次の釣行の前に、ぜひ一度家で測ってみてください。「こんなに締めてよかったのか」と驚くはずです。ぼくもあのワラサを逃したとき、これを知っていればなぁ…と今でも思います。ラインシステムの組み方はFGノットの結び方完全ガイドもどうぞ。



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