「ドラグも出していないのに、抜けた」「大物を掛けた瞬間、結び目からプッツリ」——ロックショアで最も悔しいバラシの多くは、ラインシステムの結束部で起きています。どれだけ高価なロッド・リール・ラインを揃えても、PEとリーダーをつなぐ”結び目”が弱ければ、すべては水の泡です。
逆に言えば、ここを制すれば大物への到達率は一気に上がります。この記事では、ロックショアのラインシステムの考え方(PE・リーダー号数の選び方)から、最強の結束ノット「FGノット」の結び方とコツ、すっぽ抜けを防ぐポイントまで、初心者〜中級者向けに徹底解説します。読み終えるころには、自信を持って磯に立てるはずです。
本記事は、ロックショアのパイオニア・本林将彦さんがゼナック「ロックショア極意」で解説する“実践的改良型”FGノットの考え方も取り入れ、現場で本当に使える結束術としてまとめています。
なぜラインシステムが最重要なのか?

ラインシステムとは、メインのPEライン+ショックリーダーを結束した一連の仕組みのこと。それぞれに明確な役割があります。
- PEライン:細くて強く、飛距離・感度に優れる。ただし摩擦・根ズレに弱い
- ショックリーダー:根ズレ・歯・急な衝撃から守る。PEの弱点を補う先糸
- 結束ノット:この2本をつなぐ最重要ポイント。システムで「一番弱い部分」になりやすい
大物とのファイトは「一番弱い部分の強度」で決まります。ロッドが強くても、ラインが太くても、結束が70%の強度しか出ていなければ、そこから切れる。だからこそ、結束部の強度を限界まで高めることが、ロックショアで大物を獲る絶対条件なのです。
ロックショアのラインシステム|PE・リーダー号数の選び方

PEラインの号数
ロックショアジギングではPE3号以上が基本。ターゲットで使い分けます。
| ターゲット | PE号数 | リーダー目安 |
|---|---|---|
| 中型青物(ワラサ・ブリ中心) | PE3号 | 40〜60lb |
| 大型青物・ヒラマサ | PE4〜6号 | 60〜100lb |
| 磯の根が荒い場所 | 号数+リーダー太め | 80〜100lb |
リーダー号数の目安
リーダーの太さは「PE号数 × 20lb」または「PE号数 × 5号」が基準。たとえばPE5号なら100lb前後(25号前後)です。磯は根ズレの危険が非常に高いため、強度に不安があれば太めを選ぶのが正解。リーダー素材は耐摩耗性に優れるフロロカーボンが定番です。
リーダーの長さ
ロックショアでは根ズレ対策のため最低でも2ヒロ(約3m)以上と長めにとります。岩やフジツボにPE本線が触れる前に、強靭なリーダーで受け止めるためです。長いほど安心ですが、その分キャスト時に結び目がガイドに入るため、後述のFGノット(結び目が小さい)が重要になります。
※リーダー選びの詳細は ショックリーダーおすすめ5選 もどうぞ。
なぜFGノットが最強なのか?

PEとリーダーをつなぐノットは複数ありますが、ロックショア・ヒラマサキャスティングで圧倒的に支持されるのがFGノットです。PEをリーダーに編み込み、摩擦力で結束する「摩擦系ノット」の代表格。
| ノット | 強度 | 結び目の大きさ | 評価 |
|---|---|---|---|
| FGノット | 高い(70%以上) | 小さい・ガイド抜け◎ | ◎ ロックショアの定番 |
| PRノット | 非常に高い | 小さい | ○ 専用ボビン要・安定するが手間 |
| 電車結び | 低め | 大きい | ▲ 簡単だが大物には不安 |
FGノットが選ばれる理由は「高強度」「結び目が小さくガイド抜けが良い」「現場でも組める」の3拍子。長いリーダーを使うロックショアでは、結び目がガイドを通過する場面が多いため、コブが小さいFGノットはライントラブルも激減します。慣れれば数分で組めるようになります。
FGノットの結び方|手順を徹底解説

基本の手順を順に解説します。最初は時間がかかりますが、繰り返せば必ず手が覚えます。
- PEにテンションをかける:PEをピンと張る(リールを足で固定する・口にくわえる・ノットアシスト等を使う)。緩むと編み込みが甘くなる
- 編み込み(20回前後):張ったPEに対し、リーダーを上下交互に編み込む。1回ごとにPE側を指で詰め、隙間なくキッチリ寄せる
- 仮締め:編み込んだら、PE本線とリーダーを軽く引いて編み込みを安定させる
- ハーフヒッチ(PE端で固定):PEの端糸でリーダーを挟むようにハーフヒッチを数回。これが緩み止めの要
- 本締め込み:結束部を水で濡らし、PE本線とリーダー本線をゆっくり強く引く。ノットの色が変わるまで締める
- 端糸処理:余ったPE・リーダーをカット。PE端はライターで軽く炙って小さなコブを作るとすっぽ抜け防止になる(本線を焼かないよう注意)
文章だけでは分かりにくい部分も多いので、最初はYouTubeの結び方動画を見ながら、手を動かして覚えるのがおすすめです。自宅でリラックスして練習し、現場で慌てないようにしておきましょう。
失敗しないための3つのコツ

コツ① 編み込みは「隙間なく・均一に」
FGノットの強度は編み込みの密度で決まります。1回巻くごとに左手の指でPEを詰め、緩みや隙間を作らないこと。バラついた編み込みは強度が出ず、すっぽ抜けの原因になります。
コツ② 締め込み前に必ず濡らす
乾いたまま締め込むと、摩擦熱でPEが傷み強度が落ちます。必ず水や唾液で濡らしてから本締め。ノット部の色が変わるまでしっかり締め込むのが、強度を引き出す最大のポイントです。
コツ③ 最初の締め込みで完成度が決まる
編み込み後の最初の締め込みが弱いと、すっぽ抜け・ほつれの原因になります。一気に組み上げようとせず、各工程で確実に締めながら進めること。「丁寧に1回ずつ」が、結局は一番の近道です。
実践的改良型FGノット|ハーフヒッチを”同方向”で仕上げる

基本のFGノットを習得したら、次は「実践的改良型」に挑戦してみましょう。ロックショアのパイオニア・本林将彦さんがゼナック「ロックショア極意」で解説する組み方で、基本のFGノットをベースに、現場での強度と確実性をさらに高めた仕上げが特徴です。
最大のポイントは仕上げのハーフヒッチの巻き方。通常のFGノットは仕上げのハーフヒッチを左右交互に行いますが、改良型では後半のハーフヒッチを”同一方向”に揃えて巻くのがミソです。
- 後半のハーフヒッチを同方向に:結束強度が上がり、ノットがヨレずにまっすぐ美しく仕上がる
- 仕上がりが直線的:コブが整い、ガイド抜けがさらにスムーズに。長いリーダーを使うロックショアで効く
- 段階的な締め込み:各工程を丁寧に締め、すっぽ抜けを徹底排除する
「基本のFGノットは組めるけど、もう一段の信頼性が欲しい」という方は、ぜひこの同方向ハーフヒッチを試してみてください。仕上がりの美しさと強度の両立を、手で実感できるはずです。より詳しい動作は、ゼナック「ロックショア極意」シリーズの動画もあわせてチェックすると理解が深まります。
あると便利|ノット補助ツール

FGノットは手だけでも組めますが、補助ツールを使うとテンション管理が楽になり、現場でも安定して速く組めます。特に磯の上や風のある日は、ツールがあると失敗が激減します。
① 第一精工 ノットアシスト2.0|定番のFGノット補助ツール
PEを一定テンションで固定でき、誰でも安定したFGノットが組める定番ツール。自宅での練習にも現場にも使え、これがあるだけで結束の成功率と速さが段違いになります。FGノット入門者にまず勧めたい一台です。
② ダイワ ルアーノッターLS|クリップオンで携帯性抜群
コンパクトで持ち運びやすく、現場での結び直しに便利な結束補助ツール。ベストのポケットに忍ばせておけば、ノットが傷んだ時もすぐにリカバリーできます。サブツールとして1つあると安心です。
③ 第一精工 高速リサイクラー2.0|リーダー巻き替えに
ラインの巻き替え・巻き取りを高速化するツール。リーダーやPEの管理がぐっと楽になり、結束練習でラインを無駄にしがちな初心者の強い味方。直接ノットには使いませんが、ライン管理の効率が一変します。
スペーサーPEという選択肢(中級者向け)

長いリーダーを使うロックショアでは、キャスト時にFGノットの結び目がガイド内に入り、そこが暴れてライントラブルになることがあります。これを抑えるのが「スペーサーPE」というシステムです。
メインPEとリーダーの間に、メインの2〜3倍ほど太いPE(スペーサー)を数m挟む方法。太いPEがクッションになって結び目周りのギャップが小さくなり、ガイド抜けがスムーズになります。メインPEとスペーサーPE同士はFGノットまたはPRノットで結束します。飛距離と大物対応を両立したい中級者以上におすすめのセッティングです。
おすすめスペーサーPE2選
① YGK よつあみ ロンフォート オッズポート
芯線入りの2重構造で、パリッとした張りと高い耐摩耗性が特徴。根ズレや繰り返しのキャストでも劣化しにくく、スペーサーPEの定番として絶大な人気を誇ります。
② バリバス アバニ キャスティングPE SMP(ステルスグレー)
張りと高い耐摩耗性を両立し、水に馴染みやすいステルスグレーカラー。リーダー近くで使うスペーサーとして、多くのトップアングラーが信頼を寄せる高性能ラインです。
号数はメインPEの約2倍が目安(例:メインPE4号ならスペーサー8号前後)。メインPEとスペーサーPEの結束もFGノットでOKです。
著者の激推し|「結束練習」こそ最強の投資

著者が声を大にして言いたいのは、「FGノットは家で完璧に組めるまで練習してから磯に立て」ということ。現場でぶっつけ本番だと、風・寒さ・焦りで必ず雑になり、それが本番のバラシにつながります。
テレビを見ながらでいいので、安いPEとリーダーで10回、20回と繰り返す。手が勝手に動くようになれば、もう大丈夫です。さらに——釣行中も「アタリが遠のいたらノットを組み直す」習慣を。一日酷使したノットは確実に弱っています。最高の一匹が掛かる前に、最高のラインシステムを用意しておく。これが大物を獲るアングラーの共通点です。
まとめ|結束を制す者が大物を獲る
- システムは「一番弱い部分」の強度で決まる。PE3号以上+リーダー(PE号数×20lb目安)を2ヒロ以上、磯では太め長めが安心
- 結束はFGノット一択。編み込みは隙間なく、締め込み前に必ず濡らし、最初の締めを丁寧に
- 家で完璧に組めるまで練習し、釣行中もこまめに組み直す。補助ツールを使えば成功率と速さが段違い
ラインシステムは地味な準備ですが、大物との勝負を分ける生命線です。ここに自信が持てれば、思い切ったファイトができ、獲れる魚が確実に増えます。次の釣行前に、ぜひFGノットを完璧にマスターしておきましょう!
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