キャストした瞬間、「パンッ」という乾いた音がして、ルアーだけが沖へ飛んでいく。いわゆる高切れです。ロックショアをやっていれば、一度は経験があるかもしれません。
ぼくがはじめて高切れしたのは、お気に入りのダイペンを投げたときでした。3,000円近いルアーが水平線に吸い込まれていくのを、ただ見ているしかなかった。家に帰ってラインを見てみると、先端から20mくらいがすっかり白っぽく色落ちして、指でなぞるとザラザラしていました。完全にラインの替えどきを過ぎていたんです。
PEラインは見た目では劣化がわかりにくく、「まだいけるかな」と使い続けてしまいがちです。この記事では、ロックショアでPEラインをいつ・どう判断して巻き替えるかを、ぼくの失敗も交えてまとめます。
ロックショアなら「10〜15回の釣行」か「半年」のどちらか早いほうが巻き替えの目安。ただし、先端の毛羽立ち・色落ち・ガイドを通る音の変化が出たら、回数に関係なく先端をカットするか巻き替える。
PEラインは何で劣化するのか

PEラインは細い繊維を編み込んでできています。この繊維が、使っているうちに少しずつ傷んでいきます。原因はおもに4つです。
- ガイドとの摩擦:キャストと回収のたびにガイドとこすれる
- 岩や根との接触:ロックショアでは避けられない。一番のダメージ源
- 紫外線と塩:磯の上は日差しも潮風も強い
- 結び目や折れ癖:同じ場所に負担が集中する
特にロックショアは、ほかの釣りよりラインへのダメージが大きい釣りです。重いルアーをフルキャストして、根の近くでファイトして、波をかぶる。ラインにとっては過酷な環境なんですよね。
ちなみに、PEラインの「色落ち」そのものは強度とは直接関係ないと言われています。ただ、色落ちしている=それだけ使い込んでいるというサインなので、ぼくは判断材料のひとつにしています。
巻き替えの目安は「回数」と「見た目」の2本立て
ぼくが実際に使っている判断基準を表にしてみました。どれか一つでも当てはまったら、先端をカットするか巻き替えを考えます。
| チェック項目 | 状態 | やること |
|---|---|---|
| 釣行回数 | 10〜15回を超えた | 全体の巻き替えを検討 |
| 使用期間 | 半年以上たった | 全体の巻き替えを検討 |
| 先端の毛羽立ち | 指でなぞるとザラつく | 毛羽立った部分までカット |
| 色落ち | 先端から白っぽくなっている | 回数と合わせて判断 |
| ガイドを通る音 | シャーシャーと音が大きくなった | 全体の劣化を疑う |
| 根ズレした | ファイト中に岩に擦れた | 擦れた部分より奥までカット |
| 高切れした | キャスト時に切れた | 原因を確認してから巻き替え |
回数の目安は、使う頻度やどれだけ根に擦ったかでずいぶん変わります。月に2回くらいの釣行なら、半年に1回の巻き替えがちょうどいい感覚です。ぼくはシーズン前の春と秋に巻き替えると決めています。
釣行ごとにやりたい「先端チェック」

毎回の釣りで一番大事なのは、先端20〜30mのチェックです。キャストや根ズレで一番傷むのは先端部分だからです。
やり方は簡単で、リーダーを結ぶ前に、指先(グローブをしていればグローブ越しでもOK)でラインをなぞっていくだけ。ザラッとした感触や、毛羽が立って太くなっている部分があれば、そこまで思い切って切り落とします。
もったいない気がするかもしれませんが、3,000円のルアーと、その日に掛けるかもしれない大物を守ると思えば安いものです。ぼくは「迷ったら切る」をルールにしています。
釣りの途中でも、根ズレしたかなと思ったら、面倒でもリーダーごと結び直してください。根ズレしたラインで次の魚を掛けて、ファイト中に切れる…というのはよくある話です。ラインブレイクの原因の見分け方はラインブレイク原因診断にまとめています。
長持ちさせるコツは「裏返し」

PEラインを長く使うコツとして、裏返し(リバース)というやり方があります。スプールに巻いてあるラインの前後を入れ替えて、使っていなかった奥の部分を表に出す方法です。
ロックショアで使うのは、遠投しても先端から100〜150mくらい。300m巻いていれば、奥の150mはほとんど新品のままです。そこで、ある程度使ったら、別のスプールに一度移して巻き直すと、奥のきれいな部分が先端になります。
ただし、裏返したラインも紫外線や時間による劣化はしているので、新品と同じとまでは言えません。ぼくは「1回だけ裏返して、次は全部新しくする」と決めています。
巻き替えの手順と便利な道具
巻き替えは釣具店にお願いすることもできますが、自分でやれば工賃もかからず、いつでもできます。ぼくのやり方はこんな感じです。
- 古いラインを全部巻き取って捨てる(スプールを外して、手で回してもOK)
- スプールに下巻きが必要なら、先に下巻きをする
- 新しいラインをスプールに結び、テンションをかけながら巻いていく
- スプールのエッジから1〜2mm下まで巻いたらストップ
- 最後にラインコーティングスプレーをかけて、なじませておく
一番大事なのは、テンションをしっかりかけて巻くことです。ゆるく巻くと、キャストのときにラインが食い込んだり、ぐちゃっと出てきたりしてトラブルの原因になります。ラインを巻き取る道具があると、一人でも均一に巻けるので本当に楽です。
巻き替え・裏返しが一人でできる
第一精工 高速リサイクラー2.0
| できること | ラインの巻き取り・巻き替え・裏返し |
|---|---|
| 向いている人 | タックルが複数ある人・自分で巻き替えたい人 |
ラインの巻き替えや裏返しを、手でクルクル回すだけで効率よくできる道具です。使わなくなったラインを巻き取るのにも便利。ロックショアのように太いラインを300m巻く釣りだと、あるのとないのとで手間がまるで違います。
※価格・在庫は変動します。購入前に販売ページで仕様をご確認ください。
ロックショアの定番PE
YGKよつあみ XBRAID アップグレードX8(オムニウム)300m
| 構造 | 8本編み |
|---|---|
| ロックショアの号数 | 3〜6号 |
ロックショアやジギングでよく使われている定番のPEラインです。張りがあってトラブルが少なく、太い号数でもキャストしやすい印象です。迷ったらまずこれ、という1本です。
※価格・在庫は変動します。購入前に販売ページで仕様をご確認ください。
色分けで距離がわかる
バリバス アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X8
| 構造 | 8本編み |
|---|---|
| 特長 | 10mごとに色が変わるマーキング |
10mごとに色が変わるので、どれだけ飛んだか、どの水深にジグがあるかがひと目でわかります。色落ちの具合で劣化も確認しやすいので、巻き替えのタイミングを覚えたい人にも向いています。
※価格・在庫は変動します。購入前に販売ページで仕様をご確認ください。
巻き替え後のひと手間に
バリバス PEにシュッ!
| 用途 | PEラインのコーティング |
|---|---|
| 効果 | 撥水・滑りの向上・毛羽立ち予防 |
巻き替えた直後や釣行前にスプールにかけておくと、ガイドの抜けがよくなって飛距離も伸びやすいです。ライン表面を守る意味でも、ぼくは毎回シュッとしてから出かけています。
※価格・在庫は変動します。購入前に販売ページで仕様をご確認ください。
PEライン選びそのものはPEラインおすすめ5選でくわしく紹介しています。
高切れした日に見直すこと

最後に、高切れが起きたときに確認したいことを挙げておきます。高切れはラインの劣化だけが原因とは限りません。
- ラインの劣化:今回のテーマ。先端の状態を確認
- ガイドの傷:ガイドのリングが欠けていると、そこでラインが削られる。綿棒でなぞって引っかかりがないか確認
- ライン絡み:キャスト時にラインがガイドに絡んで切れる。ラインスラッグを巻き取ってから投げる
- 指の離しが遅い:キャストのリリースが遅れると、ラインに一気に負担がかかる
ぼくの高切れのときは、ラインの劣化に加えて、トップガイドに小さな傷が入っていました。ラインだけ巻き替えていたら、また同じことになっていたと思います。
まとめ|「迷ったら切る、半年で巻き替え」
ラインはタックルの中で唯一、魚と自分をつないでいるものです。ルアーやリールにはお金をかけても、ラインはつい後回しになりがち。でも一番最初にケチってはいけないのがラインだと、ぼくは高切れで学びました。
- 巻き替えは10〜15回の釣行か半年が目安:シーズン前に替えると覚えやすい
- 毎回の釣行で先端20〜30mをチェック:迷ったら切る
- 1回だけ裏返して長持ちさせる:巻き替えは道具があると楽
ラインを新しくした日は、なんだかキャストも気持ちよく決まる気がします。次の釣行の前に、ぜひ一度スプールを見てあげてください。



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