波高だけでは足りない|周期・波向・有義波高の読み方

釣り場・ポイント

「予報は波1.5m。これなら行ける」——前の晩にそう思って磯に着いたら、足元まで白い波が駆け上がってきて、竿を出す前に引き返したことはありませんか? ぼくは何度もあります。そのたびに「予報、外れたな」と思っていました。

でも、予報は外れていなかったんです。ぼくが波高の数字しか見ていなかっただけでした。同じ「1.5m」でも、周期と波向きが違えば、磯の様子はまるで別物になります。この記事では、予報の「波高・周期・波向き」をセットで読む方法を、ぼくの反省も交えながらお話しします。

周期・波向きで磯の波の当たり方が変わる様子の図解

予報の「波高」は、いちばん高い波の数字ではない

これを知ったとき、正直ちょっとゾッとしました。天気予報で見る波の高さは、気象庁の「有義波高」という数字です。ざっくり言うと「目で見た感覚に近い、代表的な波の高さ」で、いちばん高い波ではありません。

気象庁の解説によると、波を100個(だいたい10〜20分)見たときの最大の波は、有義波高の約1.5倍。1,000個(だいたい2〜3時間)見ると、2倍近い波が来ると見積もられています。

予報の波高10〜20分に1回の大きい波2〜3時間に1回の大きい波
1.0m約1.5m約2m近く
1.5m約2.3m約3m近く
2.0m約3m約4m近く
※気象庁「波浪の知識」の説明(最大波は有義波高の約1.5倍/2倍近く)から計算した目安です

朝マヅメから昼まで釣れば、それだけで3〜4時間。つまり「波1.5mの日」は、3m近い波が1回は来るつもりで釣り座を選ぶ必要がある、ということです。「予報より大きい波が来た!」と驚いていたのは、ぼくが数字の意味を知らなかっただけでした。

「周期」が長い日は、静かに見えても油断しない

波予報には、波高と一緒に「周期(◯秒)」が載っています。これは波と波の間隔のこと。ぼくは長い間ここを読み飛ばしていましたが、磯ではかなり大事な数字です。

周期の長い波、いわゆる「うねり」は、沖では穏やかに見えます。ところが浅い所に入ると、急に背が高くなって磯を駆け上がってきます。気象庁の解説でも、海岸近くで波が砕けるときの高さは、沖の波高の2倍以上になることがあるとされています。

しかも、うねりの日は波と波の間が長いので、「さっきから静かだな」と思わせておいて、忘れたころにドカンと大きいのが来ます。いちばん危ないのは、この「静かな時間」に油断して、ついつい足場を下げてしまうことだと思います。予報の周期がいつもより長い日は、それだけで警戒レベルを1段上げてください。

波の向きと、自分の磯の向きを重ねてみる

もう一つ見てほしいのが「波向き」です。同じ波高でも、波が真正面から当たる磯と、岬の裏で守られている磯とでは、足元の荒れ方がまったく違います。

ぼくは釣行前に、地図アプリで磯がどちらを向いているかを確認するようにしてから、「今日は北東うねりだから、北向きの磯はやめて南側に回ろう」と、行き先を選べるようになりました。ただし、波は岬を回り込んだり、岩に当たって跳ね返ったりもします。裏側だから安全、と決めつけないことも大切です。

ぼくが磯に着いてからやっていること

予報を見てから釣り座を決めるまでの順番の図解

予報はあくまで入口です。最後に決めるのは、現場の自分の目。ぼくは磯に着いたら、次の順番で確認しています。

  1. いきなり足場に降りず、高い所から海を見る
    数分だけ見て「大丈夫そう」と判断しないこと。上の表のとおり、大きい波は10〜20分に1回、もっと大きい波は2〜3時間に1回です。
  2. 岩の「濡れている境目」を探す
    ここがいちばん大事です。岩の色が変わっている線や、打ち上がった海藻・泡の跡は、「さっきまでここまで波が来ていた」という証拠。観察時間が短くても、過去の大きい波の届いた高さを教えてくれます。
  3. その線より上に釣り座と荷物を置く
    荷物を低い所に置いて、波にさらわれかけたことがあります。道具は高い所へ。
  4. 乾いた退路を決めておく
    「波が来たらここへ逃げる」という場所を、釣り始める前に決めておきます。
  5. 予報より現場が荒れていたら、迷わず帰る
    せっかく来たのに…と思う気持ちは痛いほど分かります。でも、磯は逃げません。

やってしまいがちな判断

やりがちなことこう変える
波高の数字だけで行くかどうか決める波高・周期・波向きをセットで見る
風が弱いから、うねりも弱いと思う風と、遠くから届くうねりは別物と考える
数分見て静かだったので足場へ降りる岩の濡れ跡で「過去の最大」を確かめてから降りる

保存用チェックリスト

  • 予報の波高 ×1.5〜2倍の波が来るつもりでいる
  • 周期が長い日は警戒レベルを1段上げる
  • 波向きと、自分の磯の向きを地図で照合した
  • 岩の濡れ跡・海藻の跡を確認した
  • 釣り座と荷物は、濡れ跡より上
  • 乾いた退路を決めた
  • 予報より荒れていたら帰る

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まとめ|数字は「組」で読み、最後は自分の目で

予報の波高は、いちばん高い波ではありません。周期が長ければ、静かに見えても突然大きな波が来ます。そして波の向きしだいで、同じ日でも磯ごとに荒れ方が変わります。

ぼく自身、この3つをセットで見るようになってから、「着いてから引き返す」空振りがぐっと減りました。そして何より、磯の上で怖い思いをすることが減りました。釣果より大事なのは、無事に帰ってまた次の釣りに行くこと。次の釣行の前夜は、ぜひ波高の横の数字にも目を向けてみてください。

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参考資料

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